Rolling Love
 そして13時。
 時間ぴったりに、玄関のチャイムが鳴った。ピンポーン、と朗らかな音が私を呼ぶ。

「おじさんおばさん、いらっしゃい」
「璃子ちゃん、久しぶり。修哉の荷物運び込むから、ちょっとお邪魔するよ」
「どうぞどうぞ。何か持つの、手伝います?」
「いや、いいよ。せっかく男手二人いるんだし、案内だけしてもらえる?」
「はい」

 ドアを開けると、先に車を降りた修ちゃんのおじさんがいた。家電がないぶん引越しとしては短時間で終わりそうだということで、おじさんのワゴン車で3人そろって来たのだ。普段おじさんは車通勤ではないせいか、「運転疲れたよー、お母さん、帰り運転替わってー」と、冗談半分で弱音を吐きながら靴を脱ぐ。

「よっす。璃子、久しぶり」
「修ちゃん、いらっしゃい。いつぶり?英語の試験の日以来?」

 おじさんの後ろから、修ちゃんがひょこっと顔を出して、その後ろにおばさんが控えていた。大学でちょこちょこ顔は見かけたけれど、こうして久しぶりにおじさんたちと一緒に会うと、修ちゃんは本当にご両親によく似ている。この親にしてこの子あり、の典型例だ。すらっと高い背に引き締まった体格はおじさん似で、整った顔立ちと鴉の濡れ羽のような柔らかな黒髪はおばさん似。運動神経もそこそこ良くて、勉強も結構できて、さらに性格もいい。今更ながら、そんな絵に描いたような男の子が親戚で、これから同居するなんてどんな状況なんだろう、と反芻するけれど、答えがそう簡単に出るはずもなかった。
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