麗しき星の花
「あれ、リィ、もう終わり?」
私に気づいたシンが動きを止める。
「うん。今日は、宿題、いっぱいだから……」
そう言うと、シンは宿題の多さを思い出したのか顔を顰めた。そうして剣を鞘に戻すと、私と一緒に部屋に向かって歩き出した。
「リィ、日本語、読んでー」
「うん」
「書いてー」
「……それはだめ。写させてあげるから、自分で、書いて」
「うえええー。だって日本語文字が多すぎんだよ……俺、英語の方が好きだ……ミルトゥワ語に近いしさー」
「フランス語の方が、近かったよ……琴音が話してた……」
「あ、ああ、そうですか……どこだフランスって……」
情けない顔で肩を落としたシンは、すぐにうん、と頷いて顔をあげる。
「まあ、仕方ないよな。このままだと瑠璃が貸してくれる菜野人の武勇伝、読めないからな。頑張るぞ」
シンが握りこぶしを作ってそう宣言すると。
……著作権に引っかかりませんかー……。
どこからかそんな声が聞こえた。
部屋に戻って軽く汗を拭いてから、勉強の前に簡易キッチンにある冷蔵庫に向かった。
取り出したのは牛乳パック。それをグラスに注いで、祈りを込めながら一気に飲む。
ミルトゥワの神、ユグドラシェルよ。そして日本の八百万の神々よ。どうか、どうか、私に、鬼龍(かいらん)ちゃんみたいなお山をください。
同じように立派な山脈を持つ英語の神楽先生は、学生時代に乳製品をたくさん取っていたって言ってた。鬼龍ちゃんはどうしてるのか、教えてくれなかったけど……もっと凄い秘密を隠しているのかもしれない。独り占めなんてずるい。この間教えてもらった『CM』の技で責めたら教えてくれるかなぁ……。
私に気づいたシンが動きを止める。
「うん。今日は、宿題、いっぱいだから……」
そう言うと、シンは宿題の多さを思い出したのか顔を顰めた。そうして剣を鞘に戻すと、私と一緒に部屋に向かって歩き出した。
「リィ、日本語、読んでー」
「うん」
「書いてー」
「……それはだめ。写させてあげるから、自分で、書いて」
「うえええー。だって日本語文字が多すぎんだよ……俺、英語の方が好きだ……ミルトゥワ語に近いしさー」
「フランス語の方が、近かったよ……琴音が話してた……」
「あ、ああ、そうですか……どこだフランスって……」
情けない顔で肩を落としたシンは、すぐにうん、と頷いて顔をあげる。
「まあ、仕方ないよな。このままだと瑠璃が貸してくれる菜野人の武勇伝、読めないからな。頑張るぞ」
シンが握りこぶしを作ってそう宣言すると。
……著作権に引っかかりませんかー……。
どこからかそんな声が聞こえた。
部屋に戻って軽く汗を拭いてから、勉強の前に簡易キッチンにある冷蔵庫に向かった。
取り出したのは牛乳パック。それをグラスに注いで、祈りを込めながら一気に飲む。
ミルトゥワの神、ユグドラシェルよ。そして日本の八百万の神々よ。どうか、どうか、私に、鬼龍(かいらん)ちゃんみたいなお山をください。
同じように立派な山脈を持つ英語の神楽先生は、学生時代に乳製品をたくさん取っていたって言ってた。鬼龍ちゃんはどうしてるのか、教えてくれなかったけど……もっと凄い秘密を隠しているのかもしれない。独り占めなんてずるい。この間教えてもらった『CM』の技で責めたら教えてくれるかなぁ……。