過保護な彼にひとり占めされています。




「怖かったの、相葉の気持ちがもしかしたら嘘かもしれないって、そうだったら立ち直れなくて……怖くて、逃げたの」



ごめんなさい。

わからない、信じられない、と逃げてばかりいて。

臆病なままで、弱いばかりで、ごめん。



「だけど、昨日名波さんに言われて、いやだと思った。相葉が他の誰かのものになったり、一生後悔し続けるのは……いやだ、傷つくよりいやだ」



名波さんの言葉に、ようやく気付いたの。

自分の心の中の譲れない気持ちは、たったひとつ。シンプルなもの。



「同期だから、友達だからって、考えられないって思ってた。けど、いつのまにか相葉のこと、こんなに好きになってたの」



優しくて、たまに意地悪で、面倒見がよくて。そんな相葉が隣で笑ってくれるだけで、私も幸せなんだよ。

そう思えてしまうくらい、こんなにも好きになっていたんだ。



「相葉のことが、好き」



目を見て言い切った気持ちに、相葉は驚き固まって、私を見た。そして手を伸ばしたかと思えば、その両腕で正面から私を抱きしめた。



「わっ、相葉、苦しい……」

「ごめん、今だけ。力一杯抱き締めさせて」



痛いくらい、ぎゅうっと抱きしめる腕。その力から伝わってくるのは、嬉しい、愛しい、という相葉の胸のなかの想い。

抑えきれないほどのその力強さに、私は胸に顔をうずめた。



「好きだよ、大好きだ」

「さっきも聞いたよ。これまでも、何度も聞いた」

「あぁ。しつこいくらい、言ってやる」



『好き』

甘く響くそのひと言に、胸はときめく。

世界は、キラキラと輝いて。



< 146 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop