いつか晴れた日に
この人、オカシイ……。
このまま、ここに居るとマズイ。早く、逃げ出さなくちゃ。

「暴れても、誰もこないよ」

「やだっ。離してっ」

必死に池永さんの胸を拳で叩いてもがいた。

それなのに、男の力には敵わなくて。
壁に押し付けられ、両手を頭の上で拘束されると、身動きが出来なくなってしまった。
 
怒りと恐怖心から身体が震えて、涙が込み上げて来る。
泣いてしまうのも悔しくて、唇を噛みしめながら、池永さんを睨みつけた。

「そんな顔して、俺のこと煽ってる?」

「は、離して」

「俺、本当はさ、亜紀じゃなくて怜奈と付き合いたかったんだよね」

「結婚するくせに、何を言ってるんですかっ!!」

「それとこれとは話は別」

「最低っ」


もう、イヤだ。
これ以上、一秒でもここに居たくない。

「いい加減に、してっ」

「怒った顔も可愛いよ」

「……っ」

このままだと、キスされる。直感でそう思った。
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