いつか晴れた日に
涼に出会えて、本当によかった。

何度もわたしを救ってくれた涼。
そのことを思い返すだけで、胸の奥がじわりと温かくなる。

涼、ありがとう。これからは、わたしが涼を幸せにするから。
そんな想いをこめて、涼を抱きしめた。

涼の腕の中が心地良くて。何故だか、また泣いてしまいそうになる。

涼が好き。何度伝えても、きっと足りない。


「怜奈ちゃん、一つお願いがあるんだけど」

「うん?」

涙を堪えて顔を上げると、涼は真剣な眼差しでわたしを見下ろしていた。

見たことが無い涼の表情に息を呑む。

呼吸を止めたままで、涼の言葉を待った。


「もう一度、俺にキスして」

「…………」

イヤだなんて、言えるわけがない。

見つめられたまま、涼の肩に手を置いて、爪先立ちになる。

自分がこんなふうにキスをするなんて。

あり得ないほど、ドキドキしているのを涼に悟られないように目を伏せて。

「……好き」

そう囁くと少し首を傾げて、涼の唇にそっとキスをした。

一秒にも満たない、短いキス。それでも、気持ちを伝えるのには十分だった。



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