いつか晴れた日に
ふと、振り返って、涼の黒い瞳を見詰める。
黒い瞳と愛嬌のある笑顔や雰囲気、そのすべてが、懐かしくてとても愛おしいものに思える。

あのチビタが人間になって、わたしの前に現れるなんて……。

全部、夢じゃないよね?
目が醒めたら、ベッドに一人きりだったりしないよね?

「大丈夫だよ。俺はどこにも行かないから。ずっとずっと、怜奈ちゃんの傍にいる」

「約束だからね?」

「うん」

「絶対?」

「うん。だから安心して?」

「涼っ」

突然抱きついたわたしに、涼は驚いて目を見開いた。


「怜奈ちゃんは、泣き虫だよね」

宥めるように涼はわたしの頭を優しく撫でる。

その涼の胸に、ギュッと顔を押し付けた。

涼の鼓動が聞こえる。

ほら、大丈夫。これは、夢なんかじゃない。

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