1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「…家族をめちゃくちゃにされて、無事でいると思わないことです」

「何を、おっしゃっているのかわかりませんが…」

「罪を犯した人には、それ相応の罰が下る。そういうことですよ。あと、帰らないと父にお伝え願いますか?私、今反抗期なんです」

 今度こそ前を向いて歩き出す。
 神野くんと雷斗くんが両側から手を握ってくれる。

 大丈夫。負けない。あんな卑怯者に負けたりしない。

 刑務所から出ると、駅まで大急ぎで走りました。

 幸い追ってくることはなく、無事に地元までたどり着きました。
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