1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

 広西さんの後に続き、通されたのは応接間です。

 向かい合う黒い革張りのソファの間にはガラス張りの机があります。
 広西さんに向かい合う様に奥から神野くん、私、雷斗くんの順で座りました。

 奥さんがお茶を運んできてくれて、広西さんのお隣に座りました。

「で、情報屋としてきたと言うなら何を知りたいんだい?」

 奥さんが座ったところで広西さんはいきなり核心をついてきました。

 その瞬間、空気が張り詰めました。

 神野くんも雷斗くんも広西さんの出す覇気に息を飲んだのが分かりました。

 久しぶりだと、ちょっと効きますね…。

「…知りたいのではなく、真実を守り、証拠を隠ぺいしたという事実を掴んでほしいんです」

「それは、清牙くんの事件についてかい?」

「はい」

「真実を守るというのは分かるが…。隠ぺいだと?」

「えぇ。…警察内で証拠の隠ぺいと嘘の証拠のでっち上げをしている人がいます。その人の行動を抑えてほしいんです」
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