1人ぼっちと1匹オオカミ(下)
沈黙が部屋に満ちる。頭を下げたまま動かない。
ここで、断れたらお父さんを助けることは多分、出来ない。
だから、どんなに怒鳴られても諦めない。
「…俺からも、お願いします!」
右隣から声がする。視線だけを向けてみると神野くんが頭を下げてくれていました。
「お願いします。私、家族を守りたいんです。私を助けてくれたお父さんを助けたいから、だからお願いします!」
痛いくらい沈黙が続く。でも、頭は上げない。
しばらくして、ふっと空気の緊張が解ける。
「顔を上げなさい」
その言葉にゆっくりと顔を上げると、広西さんは苦笑を浮かべていました。