1人ぼっちと1匹オオカミ(下)

「覚えてますか?」

 深くかぶったままのフードに手をかける。
 隣で神野くんが動揺しているのが分かる。

 けど、…でも、…こんな、こんなちっぽけな自分のプライドを守るために、広西さんの協力を諦めたくない。

 視界が広く、明るくなる。隣で、雷斗くんが目を見開いているのが分かる。

 まっすぐに広西さんを見つめる。


「警察は、隠された真実さえも見抜き、罪を犯した人を裁くために必要なんだと。

 幼かった私に教えてくれました。

 …このまま、真実を隠されて、犯してもいない罪を背負い、裁かれるなんてこと、あっていいんですか?

 本当に罪を犯した人を野放しにするようなこと、していいんですか!」


 立ち上がり、頭を下げる。

「お願いします。お父さんを助けたいんです!私だけじゃ、出来ないから、だから、力をかしてください!!」
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