まい子は、お母さん子
ざんげの時間

ざんげの時間


シャンラララン シャンラララン

こころが勝手におどりだす シャンシャンルルル シャンルルル

まいこのお気に入りのラプソディー シャンシャンルルルル

ここはわたしだけの夢の世界

リズムに合わせてステップタンタン

うさぎのロランもクルクルまわるよ


オーロラのカーテンまぶしくはばたいて

窓のすきまから北風さんが顔をのぞかせこんにちは

まいこもやさしくほほえんでロランも両手をさしのべた。

つられてにっこりの北風さんは

まいこのリズムにさそわれるように手をつなぎ

タンタンタンとステップを始める

みんなが楽しくおどるのに言葉なんて必要ないもの

まいこもロランも北風さんも他のおもちゃたちも加わって

みんなほがらかな笑みを浮かべている

みんながしあわせな気持ちになっている証拠だ


北風さんが困った笑顔を見せるように

うさぎのロランに聞きました。

「また今日もやっちゃったのかい?」

「やっちゃったみたいなの。」


ロランはクスッとくちに手をあてて笑い

そのまま他のみんなもまいこもさらに

はげしくステップをふみだした

夢のお部屋のカーニバルだ

シャリン シャリン シャリン

まいこがいちだんともりあげて

みんなをリズムにさそいこむ

まいこのとくいわざだ

とっても陽気な気分なのに

なみだがぽろぽろこぼれてくる

ロランの目にも

北風さんの目にも

おもちゃたちの目にも

そら、君の目にも

きれいなきれいななみだの虹が・・・。


やがてみんながお酒にでも酔ったように

盛り上がり、こころにあかりが灯るころ

柱どけいがボーン ボーン ボーン


3時を知らせるチャイムがなった

そのしゅんかんまいこのステップがぴたりと止まり

みんなもリズムをぴたりと止める。

「あ~あ。おわっちゃった。」

北風さんがとても残念そうに

でもどことなく満足そうに言いました。

「ああ、いい気持ち。こころがすっかり洗われたようだ。」

「ざんげの時間はおしまいだね。」

ロランうさぎも満足そう・・・。

「まいこはざんげの天才だ・・・。」

ああねむい、ロランが大きなあくびをひとつ

他のみんなもおもちゃ箱や自分たちのねどこに戻ってゆきます。

「僕もまた通りかかったらよらせてもらうよ。」

北風さんはにっこり笑うと窓の隙間から

ヒューッと音をたてて空の向こうへと消えてゆきました。


まいこがぽつんとひとりしずまりかえる部屋へ

耳をすますとキュッ キュッ キュッ

誰かが階段をのぼってくる足音が

キュッ キュッ キュッそして・・・。

やさしいリズムをきざんだその足音が

まいこの部屋の前でぴたりとやみ

ゆっくりと、そのとびらは開かれた

窓の外からあふれてくる暖かいお昼の日差しが

まいこの身体をやさしく包み込んだ

「もういたずらしちゃだめだからね。」

そこには3時のおやつを持ってきたまいこのお母さんが、

まいこのやさしい笑みにつられるようににっこりと微笑んだ

「だあ、だあ~。」

ごきげんなまいこのほおには、いくせんの洗い流された

なみだのしずくがキラキラキラキラ輝いていた。


そして雨上がりのせいか窓の外の向こうには

いつのまにか七色にひかる大きな虹がまいこをやさしく見守っていた。







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