Ri.Night Ⅲ
────…
「ふぁ~……」
「……でっけー欠伸」
「おはよー優音……」
「おはよーさん。っていうかもう昼だけどな」
朝……じゃなくて、すっかり太陽が昇りきったお昼頃に起床したあたしは、寝惚け眼でキッチンに顔を出した。
「優音も夜遅かったのによく起きれるね~」
「お前と一緒にすんなっつーの」
冷蔵庫の中をボーッと眺めているあたしを呆れた顔で見てくる優音。
あたしを見ながら器用にお鍋をかき回している姿は、とてもじゃないけど不良には見えない。
何処からどう見ても主夫だ。
まぁ、それは優音だけに言えることじゃないんだけど。
「優音、貴兄は?」
優音より料理をしなさそうに見える人物、我らがお兄様の姿が何故か何処にも見当たらない。
自室にでも居るんだろうか?
「部屋にでも居るんじゃねぇの?」
「……ふーん」
優音も知らないんだ。
「興味ねぇーんなら最初から聞くなっつーの」
「ねぇ、お味噌汁の具なに?」
「人の話を聞け」
「あだっ!」
ペットボトルのキャップを開けながらお鍋を覗き込もうと身を乗り出すと、いきなりおでこにチョップを食らわされた。
あまりの痛さに両手でおでこを押さえる。
殴んなくてもいいじゃん!
今度殴ったら妃奈にチクるぞコノヤロー!
……と口に出して言いたいところだけど、後で逆襲されるのが怖いから言わないでおこう。
けど、何もしないのも腹立つから、代わりに思いっきり睨みつけてやった。