鏡花水月◌˳⚛˚
後は、合格に突っ走るのみ。合格すれば、誰にもバカにされることのない日々が待っているのだ。ここで気を緩めてはいけない。もし、緩めたら…いや、やめておこう。恐ろしくなってきた。そんなことを考えながら、シャープペンシルを走らせる。入試まであと1ヵ月だ。塾や、学校の3年生のフロアは緊張感で満ち溢れている。そういう環境が、やる気を起こさせるのかもしれない。家だと、好きな時に勉強をやめることができるし、ゲームや楽しい事ができる。それならば、塾などで自習をした方が何百倍も得だ。

「遠藤、もうすぐ入試だな。」

「はい」

「自信…あるか?」
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