鏡花水月◌˳⚛˚


そんなこと、どうでもいいだろう。知ったところで何になるのだ。急に下らないことを言ってくるな。──そう言いたい気持ちを抑え、あると応えた。

「そうだよな。だって、A判定だもんな。 俺みたいにバカじゃねえし、楽に受かるもんな。」

何なのだ、その言い方は。こっちはあんたみたいに遊び呆けて努力をしていない訳じゃない。落ちた悔しさをバネに、人一倍努力はしてきたつもりだ。

「あんた、志望校どこ?」

ふと気になって、訪ねてみた。知ってどうなる訳でもないが、どうせ私立のバカ高校に行くこいつを腹の底から笑ってみたかった。

「修央館だけど」

「は?」
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