【短編】君だけを愛したい
隣の席から持ってきたイスを寄せて座っている崎村は俯いて、ポツリ…と小さな声でそう言った。
「………は?」
突然、何を言い出すんだ?
俯いてしまった彼女の表情は、見えなくて。
ただ……
華奢な体が、僅かに震えていることには気付いた。
まさか、また泣いてんのか?
屋上で俯いてしまった時と似通った状況に苦笑していると、正面にいる和樹から冷たい視線を向けられた。
咄嗟に神妙な顔付きをして見せたものの、それで状況が変わるわけも無く……
崎村のいる方へ、顎をクイッと指し示しながらオレを見る和樹。
うん、言いたいことはわかる……
慰めるなり何なり、アクション起こせってことなんだろうけど。
和樹から崎村へ視線を向けた瞬間―――