【短編】君だけを愛したい
「あ゙ー……」
机に上半身を預けて窓から見える空を眺めながら、声にならない声を出す。
やるせない思いが少しは晴れるような気がして、そうしていたら。
「渉、イライラしてんなー…?」
頭上から、和樹の笑い声と言葉が降ってきて、眉間にシワを寄せながら起き上がった。
「別に……」
フイッ…と視線を逸らして何でもない。と平然を装うも、
イライラしているのは図星を突かれるくらいにバレバレ。
昨日、崎村が教室を飛び出してから、彼女にはまったく会っていない。
毎日恒例だった告白も無ければ、姿すら見せない。
その上、毎夜届いていたメールも無くて……
崎村が“付き纏ったりしない”と口にしたことが、有言実行されていた。