【短編】君だけを愛したい
崎村に冷たい態度を取っていたのは、全部、昔の男への嫉妬のせい。
今なら……正直に認めてやるよ。
崎村には、オレが一番に思われていたいから。
「いーや、売ってない」
フッ…と笑って、親指で崎村の涙を拭ってやると。
「あ、あんまり見ないでくださいーっ!!」
急に俯いて、空いてる手で必死に顔を隠そうとする。
オレが掴んでる方の手も離してほしいらしく、抗っている。
……離してやんねーけどな?
「なんで?」
「泣いちゃったし……絶対顔ヤバイから、渉ちゃんには見られたくないんですっ!!」
必死すぎる崎村がおかしくて、吹き出して笑ってしまった。
別に気にしねーのになー…
てか、さっきまで泣いてるところも見てたしな?
「何がおかしいんですか……」