【大幅加筆中】クール男子の取扱説明書
*
「で、こうなるから……────」
1時間目は古典の授業。
教室には、先生がチョークで黒板に文字を書くカリカリという音だけが響き渡っていて、その単調な音が逆に心臓のドキドキを強調するみたいで、私は思わずノートに落書きをして気を紛らわせようとした。
でも無駄で、やっぱり視線は隣の今井くんに向いてしまう。
やっぱりかっこいい。
無視されたことなんて、ほんの一瞬で頭から吹き飛んでしまうくらい、彼の存在は強烈だ。
少し前まで、私のことを無視していたのに、そんなの忘れさせてしまうくらいのオーラがある。
ふと目が合った瞬間、心臓が飛び出しそうになった。
二秒くらい見つめ合っただろうか、その短い間に、胸が苦しくなるほどドキドキして、呼吸まで乱れてしまう。
──そして、今井くんが小さく舌打ちした。
「チッ」
なっ……!!
し、舌打ちぃぃいい〜……!?
「い、今井くん……」
授業中なのに、頭の中はもう今井くんでいっぱいで、黒板の文字はまったく頭に入ってこない。
ノートに書く文字も手が勝手に動くけど、集中できてないのが自分でも分かる。