PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
坂を下りたところのコンビニの前に、寧々ちゃんは今朝も先に着いていた。
「おはよう、寧々ちゃん。待たせてごめんね」
寧々ちゃんはスマホから顔を上げた。
黒髪のショートカットに、オレンジ色の前髪エクステ。
小麦色の肌で目がくりくり大きくて、ニッと笑ったら、やんちゃな印象だ。
ミュージカルのピーターパンみたいな感じ。
「おはよ、お嬢! あたしもついさっき来たとこだよ」
コンビニの自動ドアが開いた。
ありがとうございましたーって声。
店内から出てきたのは、オレンジ色の髪の男子だ。
「あ、尾張《おわり》くん、おはよう」
「おす、安豊寺、おはよーさん!」
彼は尾張貴宏《たかひろ》くん。
尾張くんとも中学時代からの付き合いだ。