PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
尾張くんはコンビニの袋からおにぎりを取り出すと、あっという間に包装を剥がして、ガフッと大口で噛み付いた。
寧々ちゃんが尾張くんの頭をはたいた。
「朝ごはん、食べてきたんでしょーが。何でそんなにがっついてんの?」
「せいちょうき」
「口ん中モゴモゴしながらしゃべるな!」
「うるへー」
「しゃべるなってば!」
尾張くんは男子の中では背が低くて、中二くらいまではすごく気にしていた。
いつの間にか開き直って、冗談のネタにしているけれど。
寧々ちゃんはわたしと同じくらいの身長で小柄だから、尾張くんとのバランスは悪くない。
仲良くじゃれている様子は微笑ましい。