PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


中学に上がったばかりのころ、わたしは軽いいじめを受けた。


お嬢さま気取りとか、さすが優等生とか、聞こえよがしの陰口を言われていた。



あれはわたしがよくなかったんだ。


みんなの鼻に付くことをしていたのに、自覚していなかった。



クラスで孤立しかけたわたしに、寧々ちゃんは遠慮なく指摘した。



「お嬢、それ普通の中坊は持ってないよ。人に見せないほうがいい。じゃなきゃ、また浮くよ」



財布の中のカードに、海外ブランドのリップクリームや日焼け止め。


セカンドバッグもブランドもの。



母から与えられたそのままを何の疑問も持たずに使って、それが悪目立ちしていた。


どうすればいいのって、わたしはおろおろするばかりで、自分で店に行って選びなよって、寧々ちゃんに呆れられて。



そんなふうに始まった関係が、もうそろそろ三年になる。


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