PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
わたしと小夜子は目を見合わせて、ルーズリーフが綴《と》じられたファイルを開いた。
煥先輩の書く字を初めて見た。
キレイな字とはいえない。
ちょっと幼い印象だ。
でも、一字一字、丁寧に刻み込むように書かれている。
綴じられた中でいちばん上にあるのは、新曲の歌詞だった。
タイトルは『(仮)ディア・ブルームーン』が二重線で消されて、『ビターナイトメッセージ』という決定版が書き添えられている。
文徳先輩が詞の一ヶ所を指差した。サビの終わりのほうだ。
「青い月のフレーズ、ここがなかなか決まらなかったんだ。流れ星とか、天の川とか、ダークマターとか、煥もいろいろ試してたんだけど」