PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


そのとき突然。



「おい、兄貴! 何で勝手にそのファイル見せてんだよ!」



煥先輩が乱入して、素早くファイルを奪い取った。


小夜子がフラッとよろめいたから、わたしは慌てて抱き留めた。


煥先輩が近すぎて窒息しかけたみたい。


お願い、これくらいで気絶しないで。



文徳先輩が煥先輩をつかまえた。



「詞を読んでもらってるんだよ。おまえの詞も瑪都流の売りなんだから」


「音源になってるか印刷されてるか、そのどっちかだったら別にいい。でも、字を見られるのはイヤだ」


「直筆のほうが伝わるものもあると思うぞ?」


「だからイヤなんだよ!」



煥先輩はファイルを離そうとしない。


文徳先輩はガシッと煥先輩を羽交い締めにして、いたずらっ子の表情で笑った。


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