PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
「わたしも生徒会に入りたいです。次の選挙の時期までに、学校のことを覚えます。伊呂波先輩とは一緒に仕事できないけど」
伊呂波先輩は三年生。任期はあと半年だ。
「おれの代わりに生徒会を盛り上げてよ。よろしくな」
「はい!」
「それと、伊呂波先輩って呼び方なんだけど。弟とおれと、まぎらわしいんだ。文徳って呼んで。おれも下の名前で呼ばせてもらうし」
「文徳先輩、ですか」
ふみのりせんぱい。
すごく距離が近い気がしてしまう。
響きがくすぐったい。
そっか。下の名前で呼ぶのが文徳先輩のスタンダードなんだ。
だから、さっき、わたしのことを鈴蘭って。