PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―
義兄の結婚式と披露宴が終わった。
披露宴は会費制の食事会だ。
いろんな人と再会できて、楽しかった。
食事会がお開きになって、少しバタバタして、気が付いたら夫と息子の姿がない。
会場を探し回って、ようやく見付けた。
広大な庭に面したテラスに、銀色の髪。
「ここにいたの?」
ああ、と煥《あきら》さんがうなずく。
「師央《しおう》が外に出たがってたから」
息子の師央がわたしを見上げて、ニコッと笑った。
「魔の二歳児」なんて世間では言うけれど、この子は本当に聞き分けがいい。
たまに無理がたたって熱を出す。
そのたびにわたしはへこんでしまう。
無理をさせるママで、ごめんね。