PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


義兄の結婚式と披露宴が終わった。


披露宴は会費制の食事会だ。


いろんな人と再会できて、楽しかった。



食事会がお開きになって、少しバタバタして、気が付いたら夫と息子の姿がない。


会場を探し回って、ようやく見付けた。


広大な庭に面したテラスに、銀色の髪。



「ここにいたの?」



ああ、と煥《あきら》さんがうなずく。



「師央《しおう》が外に出たがってたから」



息子の師央がわたしを見上げて、ニコッと笑った。


「魔の二歳児」なんて世間では言うけれど、この子は本当に聞き分けがいい。


たまに無理がたたって熱を出す。


そのたびにわたしはへこんでしまう。


無理をさせるママで、ごめんね。


< 541 / 555 >

この作品をシェア

pagetop