PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―


煥さんのスーツ姿は本当に久しぶりだ。



いつも無造作な髪も、今日はちゃんとセットされている。


わたしはついつい見つめてしまった。



「言いたいことでもあるのか?」


「カッコいいなって思って」


「別に。鈴蘭こそ」


「え?」


「キレイだ」


「あ、ありがと」



ナチュラルに爆弾発言。照れ屋のくせにストレート。


入籍して三年になるけれど、いまだに振り回される。



師央が満面の笑みで、わたしのスカートをつかんだ。



「ママ、かわいいからすき」


「ありがとう」


「あのね、パパがいってた。かわいいからすき。しおも、ママすきだよ。かわいいからすき」


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