フェアリーサイン
小さな声が風に乗ってあたしの耳を掠める。



あたしは振り向いて磯野さんを見つめた。



磯野さんの目は涙で潤んでいたけど、すごく眩しい笑顔を浮かべていた。



「市川さんが、声掛けてくれたの。すごく嬉しかった……ありがとう」



ニコッと笑って、磯野さんはその場を立ち去った。




「…………」



磯野さんの背中を見つめながらあたしはただ立ち尽くしていた。



どうして、あんな事をしたあたしにありがとうって言えるんだろう……?




いっぱい嫌な事したのに……。






「……どうして……?」


言葉と同時に涙が零れた。


けど、さっきの涙とは違う。

独りが怖くて流した涙じゃなくて……。


磯野さんの優しさがあたしの荒んだ心に染みて……。



涙が止まらなかった。
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