大好きな貴方へ  愛を込めて





今日は、病院で検査の日。

順調に育っているか調べる。


「んー、順調に育ってますよっ」


私のお腹もかなり出てきて今はラクな格好をしている。

「このままいけば予定日に産まれますよっ」

「本当ですか?」

私の予定日はもうすぐ後2ヶ月!!

楽しみだッ♪

帰り道裕ちゃんから電話があった。

『もしもし?どうだった?』

私達の両親は、裕ちゃんがきちんとした仕事についてから結婚しなさいと言われている。

『順調だってよっ!!』

『そっかそっかそれなら良かったよ!俺も頑張らなきゃなっ』

『うんっ!!じゃー、またね?』

『おうっ』

裕ちゃんも頑張ってるんだっ!

私も頑張ろっ







翌日 AM5:30

何故か目が覚めた。

携帯を見た。

「まだ、5時半かぁ」

何故か目がさえた。

「ちょっと散歩でもしよっな?」

私は、温かい格好で外に出ようとした時
急にお腹が痛くなった。


「痛い………い、痛い………お母さんっ!」

私の声に母は玄関に駆けつけた。


「どうしたの?りなっ?」

「お腹痛い…………」

私は、出せるだけの声を出した。

「どうしたんだっ!」

父も駆けつけた。

「お父さんっ救急車呼んでちょうだいっ」

「わかった!」

お父さんは慌てて電話した。


私は、母に頼んで裕ちゃんを呼んでもらった。


病院につきすぐに産むことになった。

「とても危ない状態です。まだ、娘さんは若くきちんとした体ではなくどちらかがもしかしたら……なのでどちらか選んで頂きたいのです。」

ウソ…………


私は、迷わず答えを出した。


「赤ちゃんを助けてください……私は、どうなってもいいですから………」

そこに裕ちゃんが入って来た。

「裕ちゃん………裕ちゃんっ」

私に駆け寄って来て抱きしめてくれた。

「裕ちゃん……大好き………」

お腹の痛みは少し消えていた。

「りなっ赤ちゃんはっ!」

「大丈夫っ!裕ちゃん…もし私がダメでも赤ちゃんをお願いね?」

私は、泣きそうになりながらちゃんと自分の気持ちを伝えた。

「え?……。わかった…」

「名前は女の子だったら優奈。男の子なら有利。」

私は、検査の時に聞かなかった。

だから、どちらかは分からない。

「りなっ分かった………愛してるよ……」


「私も愛してるっ」

分娩室に入り私は気合を入れた。

「それじゃっ頑張ってください」

子供を産むのは凄く苦しかった。

でも、赤ちゃんの顔を見て痛さなんか吹っ飛ぶと言われていたけどそれは本当だった。

「元気な女の子ですよっ」

「かわいい……優奈……」


私は、そこで力尽きた。


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