ドクター

その夜、斉藤先生は実加の病室に泊まった。







検査結果を聞いた青木先生にこう言われたのだ。






「良かったですね!斉藤先生。
これで実加ちゃんを斉藤先生のものにできますねッ!」






その言葉に斉藤先生は驚いた顔をする。







「大丈夫ですよ。僕だけじゃなくて、皆がそう思ってますから。」







と言うと、後ろにいた他の医者や看護師がニヤニヤとしていた。
どうやら斉藤先生が実加を好きなことは、周知の事実らしい。
知らなかったのは斉藤先生と実加だけ。







「今日はきっと心ぬ動揺が多いと思いますから、一晩中着いていてあげてください。」






ニヤニヤしながら青木先生が言う。





「巡回も斉藤先生がついてるならいりませんね。」







そういうと周りの看護師が頷いた。






嬉しいけど素直に喜べない斉藤先生に、青木先生が





「これは、主治医命令です。
この病院に先にいた先輩としてっ!」







というと斉藤先生は嬉しそうな顔をして喜んだ。
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