ドクター
実
俺は実加が退院してからの一ヶ月、ずっと考えていた。
実加との結婚。
これは、遅かれ早かれ結婚は考えていた。
最近、実加の様子がおかしいと院長から聞いていた。
学校には憂鬱そうに行くし、日曜の夜は暗い顔をしてるし。
俺はそばにいてあげれなかったから分からなかったけど、どうも学校でうまくいってないらしい。
そんな時、俺が当直明けで家に帰ると、実加は部屋で寝ていた。
そんな実加の顔を愛おしく思った。
早く俺のものにしたい。
起きた実加に、何となく学校のことを聞いてみたら、突然泣き出した。
よく見ると熱もあるようだ。
そのあと泣き止まず、発作も止まらず。
クリニックで俺一人の力では何ともならず、救急車を頼んだ。
俺は、そんな実加を独り、学校で辛い思いをさせていたことに後悔した。
もっと早く帰ってきて、話しを聞いてやれば良かった。
高校なんて、行かなくても、何とでもなる。
俺がそばで、実加を守ってやる。
そう思うと、気づくと結婚を申し込んでいた。