クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
ただただ怒りだけが湧いてきて、人と関わるのさえ面倒になったある時。
俺は"ボス"に声をかけられた。
「…お前、今イラついているだろう?」
夜中、家を抜け出して街を歩いていたら急に話しかけられた。
「……あんた誰。つーかイラついてんのわかってんなら話しかけんなよ、おっさん」
チッと大きく舌打ちをし、無視して歩きだした。
だが、その男はついてきた。
「ソレ、発散したいと思わねぇか?」
ピタッ
俺の心を見透かしたように言ってきたその言葉に、思わず立ち止まる。
「その発散場所、俺が提供してやる」
「……どんな?」
普段の俺なら、そんな言葉完全無視してたと思う。
でもその時はただ俺を見下してきた奴らに復讐したい一心で、その男の言葉に耳を傾けてた。
「"ブルースター"、知っているだろう?
ここらで一番デカい暴走族だ」
「は?…そりゃ、知ってるけど。
まさかそこを発散場所にしろと?無理だろ」
元々青星のことは噂で聞いていた。
そりゃあ知ってるけど、たかが一般人が暴走族に勝つとは流石に思ってないし。
喧嘩を売りたいとも思わない。
「はっ、そんな簡単に喧嘩売るわけじゃねぇ。全てはお前の演技力に掛かってる
乗るか?乗らないか?どっちだ??」