クロ * Full picture of the plan * Ⅳ



どう考えても怪しいし、そんなとこに喧嘩売るなんて…



本当に、いつもならありえない。



…あの時の俺は他人の事なんてどうでもよく、ほんとに自分のことしか考えてなかった。



だから俺は…



「…乗ってやるよ」



そう言って、その男の言葉に乗ってしまった。



ゾクッ



「クククッ
そう言うと思ってたぜ?藤井伊織。」



一瞬にして、その男の纏う空気が変わった。



そして、恐怖だけが俺を支配した。



「これからは俺を"ボス"と呼べ。
そして、お前は青星のスパイをしろ」



っ、え?



「…スパイ?え、どうゆうことだよ、??」



「おい、俺には敬語を使え。

お前は俺に従い、ただ青星のスパイとして俺に情報を流せばいい。」



は?情報を??



「それだけじゃっ!発散になんてなるわけが…!!」



「ククッ わからねぇのか?

仲間のフリをして、最後にはスパイで仲間じゃねぇとバラすんだよ。
それを聞いたあいつらの顔を想像してみろ!


どうだ?いい発散になるだろう??」



企みのある笑みでそう言われた。



…それを聞いて、俺は相当性格が歪んでると自覚した。



だって俺は、それがいいストレス発散になると。



ただただ自己満足のためだけに。



俺はそれを笑顔で引き受けた。


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