サバイバル学園
「舞子、この校庭を抜けて行けば、きっとオレたちは死ぬと思う。

人間が走るスピードなんて、ライオンとは比べものにならないくらい遅いから……。

だけど、オレたちのどちらか一人だけなら、確実に生き残れる。

上空のヘリコプターにいる自衛隊が、サバイバルイベントの唯一の生存者を助けにくるはずだから……」




オレは夕日に染まる空を見つめ、舞子に最後の質問をした。




「選択肢は、二つに一つだ。

舞子がオレを殺して、サバイバルイベントの唯一の生存者になるか、
それとも、オレと二人で、このライオンたちがいる校庭を走り抜けるか?」




正門にたどり着くまで、十頭以上のライオンの脇を通り抜けていかなくてはならない。




それはまさに死のロード。




そこを通れば、きっと生きてはいれなかった。
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