サバイバル学園
「虎男、私たちは校庭を走り抜けるよ」




舞子はそう言って、オレの顔を見つめていた。




「私たちはいつだって、一緒だよ。

さっきそう決めたばかりじゃないか?

生きるときも死ぬときも、私たちは一緒だよ」




舞子がオレにそう言って微笑んだとき、オレもつられて、笑っていた。




結局、オレたちはバカなんだ。




損得勘定なんかでは生きられない。




オレたちは、いつも権力に逆らって、ツッパった生き方をしてきたから……。




時間は十八時。




朝陽学園の正門がゆっくりと開いていった。




「行くぞ、舞子。

オレたちはこの校庭を走り抜けて、絶対に生き残る」




舞子はオレの言葉にうなずき、オレたちは自由へと続く正門の方に走り出した。




〈 オレたちは死なない。

絶対に! 〉




オレと舞子はついに、ライオンが点在する校庭に、足を踏み入れた。
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