向日葵

俺の家からスーパーは
そんなに
遠くはなかった。

スーパーで
買い物をしていると、
俺の店の客と
会ってしまった。

「康っ」
「あっ、どうも」
「この子誰っ??」

俺の客は
美奈を少し睨んだ。

「俺の妹です。」
「そうなの?ふ〜ん。じゃぁまたお店でねっ。」
「お待ちしてます。」

美奈は不思議そうに
俺を見ている。

「あの人、誰??お店って...」
「お前には関係ねぇよ。早く買って帰るぞ」


美奈には
知られたくなかった。

あの店で
働いている事だけは。


知ったら
きっと美奈は
俺を嫌いになる。
きっと
目の色を変えて
俺の事を見るだろう。


俺が
恋する事をやめた理由。

俺の頭から
消した名前。


俺がそいつの名前を
消した理由。


美奈が聞いたら
どう思うだろう。



俺は恋をする
資格なんてないんだ。
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