秘め恋*story7~試着室で…~
死ぬほど恥ずかしくて俯くと、すぐクイッと顎を掬い上げられる。
こ、これはまたまた未経験ゾーンの…顎クイ。。
「ずっと見てて、好きだと思った。」
そう囁いた滝本さんの顔はとても…真剣で優しげで。
「地味な俺と、本当の俺、どっちがいい?」
「え、どっちって…」
真剣な眼差しで問われて、目を見つめられたまま戸惑う。
だって、あの配送の時の滝本さんを好きになってて…こんな攻めてくる滝本さん、今さっき初めて知った…
「それとも、嫌いか…?」
あ、この目。子犬みたいな可愛い目。
「そんな…」
ドキドキでもうどうしようもなくなった私は、ついにやられてしまった。
「…フッ、どっちの俺も嫌いじゃないだろ?」
そんないぢわるな甘い笑顔でそんな言葉を言われたら…
「はい。」
そう頷くしか出来ません。
頷いた私は、そのまま…生まれて初めてのキスを奪われてしまった。
それも、何度も、何度も。
優しい触れるだけのものから、立っていられなくなるくらいの攻めるものまで…
「ん…」
「シッ…他の人にバレるぞ?」
そんないぢわるな事を言いながら、
「でも、もっと聞きたいな。」
「た、滝本さんっ…」
カーテン1つ隔てた向こうでは、いつもと変わらぬ接客する声が聞こえる。
「よし、今日からこの試着室は
俺達の愛の巣としよう。」
「滝本さんっ…ここは神聖な職場であって…」
「フッ…分かってるよ 。
高田さんは真面目だな。」
「た、滝本さんがギャップが
ありすぎるんですっ。」
そんな私を滝本さんはグッと抱き寄せた。
「でも、こんな俺も好きなんだろう?」
好きです。
真面目で地味な人でも、
ビシッとスーツを着て王子様みたいな人でも、
「もう少し、ここでこうしてたい。」
「はい。」
試着室。
私と彼の恋は、ここから始まりました。
そして、これからもそこから愛が育まれるかもしれない。
end*
と、思いきや次のページにおまけがあります。