王子な秘書とシンデレラな御曹司
シンデレラな王子


 あれから
華子様とデートを重ねる副社長

それはいい
それはいいのだけれど

なぜか私と清香さんも一緒。
四人で団体行動。

お食事あり
コンサートあり
お買い物あり

仕事も忙しく
働きながらデートのお付き。
いや……もう私なんていらないでしょう。
邪魔でしょうって思うけど
どうやら華子様命令なので、誰も逆らう事はできないようだ。

嫌われるより嬉しいけど
正直身体もボロボロです。
土日も関係ありません。残業代出して下さい。
いやお金はいらないから
自分の自由な時間が欲しいです。
部長に訴えても『3月まで頼む』と半泣きで言われるし。

こうなったら頑張るしかないのか私。

最近は待ち合わせ場所として
華子様と清香さんはオフィスまでやって来て、5時になるまで待ってくれている。

ありがたいのか……なんなんだか。

『華子様のお仕事は大丈夫なのでしょうか?』
さりげなく清香さんに先日聞いてみた私。
たしかホテルの重役さんとの噂あり。
すると
『華子様は海外のホテル担当重役となっております』そう言われてしまった。

ツッコむのが怖くて聞けないけれど
あれだけスケールが大きくて個性的な方だから
ちまちました日本の会議には似合わないのかもしれないなどと、勝手に想像する私。

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