王子な秘書とシンデレラな御曹司

今日は黒のレースのゴズロリ風ドレス。
何を着ても似合ってしまう華子様オーラ。

「啓司」

「はい」

「コーヒーを頼む」

「はいっ」
仕事の途中で手を休め
副社長はガリガリと豆を挽く。
パシリですね。
そのうち『パン買ってこい』とか言われそう。

華子様はソファに背を預け大きく伸びをする

「雅よ」

「はいっ」
何だかんだで私も副社長と同じ
華子様に名前を呼ばれると背筋ピーンと伸ばして大きく返事。

「パスポート持ってきたか?」
鋭く言われて身体が固まる。

「華子様。申し訳ありません。なるべく国内でお願いします」
そのカラコン入った緑の目で射すくめられた私は半泣きでお願いをした。

華子様との団体行動
『紅茶を飲むぞ』とイギリスまで行こうとし
『ショコラを食べる』とフランスまで行こうとする。

ちょっとそこまでが
プライベートジェットなので本気で焦った私。

でも
『雅が喜ぶと思って』って言われると、何でも許してしまいそうになる。

ツンデレ華子様。

まだ迫力あって怖いけど

少しだけ
慣れてきましたよ私。
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