王子な秘書とシンデレラな御曹司
部屋に響くチャイムの音で目が覚めた。
え?ここどこ?
自分の部屋と違う!
慌ててガバリと起き上がると昨日のワインが残ってたのか、ぐわーんと頭の中で何かが響く。
そんなに飲んだっけ?
飲んではいないけど酔ってる。
幸せの余韻に酔ってる私?
啓司さんはどこ?
今何時?
ドアチャイムって?
バタバタとベッドに掛かっていたガウンを引っかけ、小さくドアを開くとホテルの人がルームサービスを運んで来た。
シルバーのワゴンに乗った美味しそうな朝食と共に、一枚のカードが添えられている。
【雅さん。おはよう
9時に社長に呼ばれているので先に行きます。
雅さんは午後から出社でいいですよ。
啓司】と……。
時計を見るともう9時半。
どんだけ熟睡してるんだ私。今日はまだ金曜日でしょう。
半分パニックを起こしながらダッシュでシャワーを浴び、美味しいオレンジジュースを喉に流す。
あぁこの素敵な部屋を走って去るのが残念だ。
広すぎるバスで足を伸ばしてゆっくりお風呂タイムしたいのに。
名残惜しすぎるスイートルームをほぼスッピンで出て、タクシーを拾い出社。
タクシー出社。
偉くなったもんだな自分。
自虐しながらコソコソと裏から入り、自社製品のサンプル倉庫にこそっと入って化粧品をいただく。
化粧品会社に勤めていてよかった。
化粧室でコソコソメイク完了し
朝から居ましたって顔で重役フロアに上がり
自分のオフィスの扉の前に佇む。
どんな顔で彼と会えばいいのだろう。