王子な秘書とシンデレラな御曹司

「僕の席は奥の方ですが、高橋部長の隣です。雅さんの顔色が悪いから僕がそこに座ります。代わって下さい」
真面目な顔でそう言う副社長。

社長は私の顔をチラッと見て
返事を待つ副社長にこう言った「嫌だ」と……。

親子だ。
まぎれもなく親子だこの人達。
変な所がそっくりかも。

「竹下さんは私が見てる。お前は戻りなさい。公私混同しないように」

「雅さん帰りましょう。僕が送ります」

親子の会話を聞きながら焦る私。

「大丈夫ですよ。もう宴会も終わりに近づいてます。終わったらすぐ帰るから大丈夫です」
ふたりの会話の間に入ると、副社長は納得できない顔をしつつも黙ってくれた。

「終わったら僕が送りますからね。誘われて飲みに出ないように」
釘を刺して自分の席に戻って行く。
信用されてないのね私。

「大丈夫かい?」
社長に心配をかけてしまった。

「風邪気味なんです。大丈夫です」

あなたのお孫さんができたかもしれません……言えない。

元気な顔を見せて乗りきろう。
あと少し
もう少し。


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