王子な秘書とシンデレラな御曹司

「元気ならいい。帰るぞ清香」
クルリと背中を向ける華子様。
もう?もう帰るの?
いやちょっと待って下さい。
私は慌ててその背中に声をかけた。

「華子様。昨年の話ですがクリスマスにドレスと靴をバッグをありがとうございました」
年末年始は海外に行ってるって聞いたので
メールでお礼は伝えたけど、直接会って言いたかった。

「雅さん。とっても綺麗でした」
清香さんが付け加える。

「清香さんもありがとう。とてもお世話になり……」

「啓司」

清香さんにもお礼を言おうと思っていると
華子様のハスキーボイスに中断されてしまう

「啓司」
華子様は腕を組み
ゆっくり顔を副社長に向け、挑むように言葉を放つ。

「挙式が楽しみだ。私の会社はお前の物だ。心から愛してるぞ」

愛の告白と言うよりも
勝負を賭けたような発言。

でも
これが

華子様風の愛の告白なのだろう。

「僕も愛してます」

副社長はそう言って楽しそうな笑顔を見せる。



僕も愛してます……か……。

言葉に聞くと残酷なセリフだね。

思ったよりズシーンと響くけど
現実を見ろという
いい教訓かもしれない。



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