王子な秘書とシンデレラな御曹司

「あとは佐竹さん達の出番です」

「佐竹さんとは?」

「だからお掃除のお姉様達ですって」

そういえばその名前
コーヒー仲間にいた気がした。
豆を交換する仲だな。

システム部内にプロジェクトチームを作り、敵の動きを探って怪しい会話を保存。
弟が後継者になったなら
田崎専務と手を組んで海外企業と合併する予定なので、その相手企業との会話も無事録音し保存できた。

ふたりの部屋のシュレッダ―を盗み出し
新しい品物は手配を送らせたので
書き損じた重要書類はゴミ箱に無造作に捨てられる。

「それをKKP48のお姉様達が盗んでシステム部に運ぶ」

「KKPって?」

「岸本 啓司 プロジェクト」

「48って?」

「お掃除のお姉様達の平均年齢」

楽しんでません?みなさん。

「華子様と清香さんにも協力してもらいました」

「華子様?」
何ですって?華子様も清香さんも知ってたの?

「雅さんが新年会で倒れた次の日、ここに来たでしょう。その時『挙式が楽しみだ。私の会社はお前の物だ』みたいな事を言ってくれて。あれが引き金になったと思います。次の日に海外企業と仮契約をしてましたから焦ってたんでしょうね」

「知らないのは私だけですか?」

「はい」

「どうして?」

「雅さんが心配だから」

ジッと私の顔を見て副社長は言う。

「雅さんに危害を与えたら僕はもう平常心ではいられない。一生後悔して自分を恨むと思う」

「そんな事は……」

「ありますよ。華子様には危害を加えないと思うけど、秘密を知って雅さんがどこかでボロを出し、それが敵に見つかって敵が雅さんを捕えてケガでもさせたらって思うとゾッとする」

そこまで考えてくれてたんだ。



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