王子な秘書とシンデレラな御曹司

「もう少し飲み直そうか」
啓司さんは私の頬にキスをしてから、笑って抱き起し
またふたりで居間に戻る。

彼をソファに座らせて
私は冷えたワインを取り出し
ふたたび乾杯。

「雅さん」

「何?また呼んだだけ?」

「大好き」

「私も大好き」

キスがほんのりブドウの味がする。

甘い甘いキスをこれからもしよう

たくさんキスして
たくさん笑って
たくさん抱き合って

一緒に過ごそう。

大好きな大好きな啓司さん。

あなたは私の王子様。

「よかったらシャワー浴びる?それからゆっくりでもいいよ」
夜は長いし
その方がいいかな。
新しいバスタオルはどこだっけな。

「ここってさっき見たけどバスルーム広いですね」

「そうだね。バストイレ別だし。家賃がその分高かったけど頑張った。お風呂大好きだから」

女性用のシャンプーしかないけどいいよね。
歯ブラシの替えはあった気がする。
こないだ妹が泊まった時に大量に持って来たはず。

「一緒に入りましょ」

「そうで……はぁ?」
驚いて思わず大きな声が出てしまう。
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