王子な秘書とシンデレラな御曹司
「安心したんだ。急に嫌われたと思ったから」
「だからそれはないって」
「ごめん。怒らないで雅さん」
彼は優しい。
急に拒否した私が悪いのに。ごめんなさい。
「気持ちが追いつかなくて、急に恥ずかしくなったと言えばいいのか……何て言えばいいのだろう」
「雅さんらしい」
「え?」
「夜は長いから、ゆっくり過ごしましょう。もっと雅さんの話を聞かせて」
「何の話?」
「何でもいい。子供の頃の話でもいいし仕事の話でもいい。友達の話でもいいし、最近楽しかった事でも悲しかった事でもいい。好きな話をして」
「啓司さん」
「雅さんと半年過ごしたけど、仕事の話ばかりだったよね。毎日が忙しくて個人的な話をしたことがほどんどなかった。もっと深くお互いを知ろう。それが不安のひとつなんでしょう?深い仲になる前にお互いを知りたいのでしょう?」
本当に
啓司さんには負けてしまう。
あなたは私を知り尽くしてるね。
クルリと身体を彼に戻し
彼の胸に身体を預ける。
「夜は長いから大丈夫」
彼はそう言い
私を抱いて頬にキスをする。
「そうだね」
「沢山話をしよう」
「うん」
「これからずっと一緒だから」
「うん」
ずっと一緒。
彼と一緒。