王子な秘書とシンデレラな御曹司
それは深い森の中での深い話


毎日がいっぱいいっぱいで
忙しいけれど

それなりに
流れがつかめてきたような気がする。

この『気がする』っていうのが
大切なのではなかろうか

過酷な状況で
自分を暗示にかけながら
毎日を過ごすのはとっても大切。

重役フロアに移動して
はや2週間。
運動もしてないのに2キロほど体重が落ちた。
すごいダイエット。

メールで常務と部長の指示を仰ぎながら
頑張っている私達。
でも
高橋部長は4キロ痩せたそうな
頑張れ部長。

うちの副社長は
相変わらず書類の山と過密スケジュールに追われ
半泣きになりながら仕事をこなす。

社員にも副社長と認識されて……いるのか……いないのか。

いないだろうなあ

一般社員と同じ雰囲気で歩いてるもん。
社食に行っても
誰にも気付かれなかったって自慢してた。

そこ自慢じゃないし。

弟の方は俺様オーラ出しまくって
完璧認識されていた。

彼は噂通りのデキるヤツで
重役会議でも存在感を持ち
厳しい発言をしながらも、周りに一目置かれている。

先日
大手取引先の新社屋完成披露があり
副社長ふたり並んだけど

威厳ある俺様副社長の隣で
うちの副社長は
ニコニコ安っぽい笑顔を見せていて


みすぼらしかった。


ああああーーーーっ!
これではいかんっ!

30歩ほど

遅れをとってるーーー!

< 27 / 245 >

この作品をシェア

pagetop