王子な秘書とシンデレラな御曹司
「先輩後輩同期からの女子社員の評判もよく、仕事もできて信頼されてると聞く」
女子社員からはモテます。
背が高いせいか
なぜか頼られていて
『雅王子』とも呼ばれてます。
男子社員からは何もないけど……じゃなくて!
あぁ褒められれば褒められるほど
泣きたくなるのはなぜでしょう。
「半年でいい。彼を後継者として教育し、専務派から守ってほしい」
「専務派といいますと?」
「田崎専務はこの社を乗っ取り、外資企業と合併させようとしている」
合併ですって?
目を丸くすると
隣で部長が大きな身体でワタワタとリアクション。
「誰にも言わないで欲しい。ここだけの話だ」
死神が私を見つめる。
誰にも言いません。きっと呪われる。
しかしながら
こんな深い話を聞かされると
逃げるに逃げれなくなってしまうでしょ。
「半年後の創立80周年のパーティー。そこで社長は後継者を決める。何があっても田崎専務と彼に後継者の椅子を渡してはいけない。私も陰ながら応援するが表立った事は何もできない。君に会社の全てをゆだねる」
重いよー。重くて泣きたいよ。
って
あれ?今『田崎専務と彼に?』って言ったような
彼って何?
まだ秘密があるの?誰かいるの?
ふと疑問になり聞き直そうとすると「話は以上」って枯れた声で常務は終わらそうとする。
ちょっと待ってーー!!
「無理です私。あの、社長に田崎専務の悪だくみを全てお話するという……」
「下手に動けば、こっちが命取りになり被害が大きくなる」
ピシャリと死神に怒られた。
あぁどうしよう。
「敵はどんな手を使ってくるかわからない。それに負けずに頑張ってほしい」
敵って何?
すごい追い打ち発言ですよ。
「明日から君の職場はこのフロアだ」
地獄の宣告で
常務は私を突き落とした。