王子な秘書とシンデレラな御曹司

副社長の広い背中
男性にしては長く綺麗な指
優しい瞳

こんなに思い出すのは
いつも一緒にいるせいだろう

きっとそれだけ。

「ウワサかもしれないけどね」

「うん」

「お見合いの話がきてるんだって」

「お見合い?誰に?」

「どっちの副社長が不明だけど。相手はホテル王の娘らしいよ」

お見合い。

お見合いったら
そのまま結婚だよね。

「高級三ツ星ホテルでさ、お嬢様中のお嬢様。その子と結婚できたら世界中のホテルに、うちの化粧品のアメニティグッズが置かれるって話」

「なるほどね」

「大金星でしょ。だからそのお嬢様とあんたの副社長を上手くいかせて、社長に認めさせて無事後継者にして、雅の仕事は完了」

「完了?」

「お疲れさまのゲームオーバー。そしてあんたはタケル王子と幸せに暮らしました。めでたしめでたし」

なるほど。

「雅が心配だよ」

親友が私のグラスに自分のグラスを重ねる。
バカラのグラスはいい音を出すなぁ。

「もしかしたら副社長に惚れてるんじゃないかなって思ってさ」

「それはない!」

「その全力否定が怪し過ぎ」

つきあいの長い親友ってやっかいだ。

「私は雅に幸せになってもらいたい。副社長は身分違い。無理な恋愛は辛くて悲しいからさ、それならタケル王子の方が安心できる」

「私はそんなんじゃ……」

「早くゲームをクリアして、雅王子はタケル王子と幸せになりなさい。あいつは雅の事を大切にするよ」

しんみり言われて

私も自分の気持ちがわからなくなる。
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