王子な秘書とシンデレラな御曹司

せっかくの高い食事だからと
健は海外出張のおみやげ話を楽しく私に話し、私は軽い緊張を保ちながらも時間を過ごす。

食事の後に部屋に誘われたけど
もちろんお断り。

「黙って俺に抱かれる方が楽だけどね」

エレベーターの中でささやかれ
軽くグーでパンチ。

わかってるよ。
それが一番楽って事が。

「近くにマンションあるのに、ひとりで泊まるの?」
ドアマンにタクシーを回してもらい
乗り込んでから健に聞くと

「意地だ。誰にも言うなよ恥ずかしいから」

「了解です」

「雅?まつ毛にゴミついてるぞ。目をつぶれ」

「まじ?」
退社前に塗り直したマスカラかなぁ。
素直に目を閉じると

健の唇が私の唇に重なった。

「ちょっとーーーー!」

「このくらいいいじゃん。おやすみ」

やられた。

ただ言葉も出ずに驚き
口をパクパクしていたら

「またね」って手を振り
とっても楽しそうにホテルの中に逃げてしまった。


 竹下 雅

 騙されやすい体質の女。


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