王子な秘書とシンデレラな御曹司
丁寧にメイクをし
長い髪を後ろでまとめて背筋を伸ばす。
おっし!出てこいや!
半年間やってやる!
全て終わったら部長に高級料亭に連れて行ってもらうぞ。
田崎専務なんて敵じゃない!
要するに
副社長である御曹司を手助けし
デキる男にして社長に認めさせ
半年後に『後継者はこいつです』と、社長に言わせてミッション完了。
エンドロール目指して頑張ろう。
何かあったら
死神常務に……いや部長に泣きつきに行こう。
あっちの方が情にモロそうだ。常務怖い。
開き直りと
気合だけは誰にも負けない
その姿勢で会社に向かい
慣れない重役フロアへと移動する。
胃薬忘れた。
エレベーターが開き
昨日の景色に心を重くしながらも、自分の行き場所を目指す。
目指すって
考えてみると
詳しく教えてもらわなかった。
どーすりゃいいんだ
どこに行けばいいのだろう。
広い廊下に重役の扉や重役用会議室、応接室など扉がいっぱい。
奥に歩くと展望台のような全ての景色を下に見るロビーがあってバーもある。
そこに秘書課があるはず。
同期の市橋理香もいるはずだけど
彼女とは親しくない。
でも同期の仲間として色々と教えてもらおうって思っていると
【副社長室】ってシックなプレートの文字を発見。
その扉は開いていて
中にひとりの男性が机に腰をかけ
大きな窓から見える景色をジッと見ていた。
横顔が絵になる男性だった。
御曹司?彼が?話を聞いた御曹司?