だって、キミが好きだから。


「もー、大げさだよ。それに琉衣はそんな人じゃないから」



「る、琉衣?あんた、いつからそんな呼び方するようになったの?やっぱりダマされてるんじゃない?」



萌奈は靴を履き替えようとしているあたしの邪魔をするかのように、再び肩を揺らした。



「人聞きの悪いこと言うんじゃねーよ」



その時、後ろから聞こえた声に心臓が大きく音を立てる。


そこにはマフラーで首元をスッポリ覆った琉衣の姿。



「だって、矢沢君って遊んでるでしょ?菜花には、ツラい想いをして欲しくないんだもん」



敵意丸出しで、萌奈が琉衣を睨み付ける。



「今は遊んでねー。菜花のことも、傷付けるつもりはねーよ」



「どうだかね」



2人は睨み合いながらバチバチと火花を散らしている。


お願いだから、もうやめてー。


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